驚異の最高音 hihiA を誇るラルクの『瞳の住人』。
カラオケで高難易度の曲の一つであるが、チャレンジして玉砕された人も多いのではないだろうか。
なんといっても難点はやはり、最高音であるhihiAであるが、そこにばかり囚われてはいけない。
実はこの曲の最大の難関は hihiAではなく、その前までのサビであることに気づかねばならない。
使用音域がべらぼうに広く、換声点付近をファルセット、ミドルボイス、ヘッドボイスで容赦なく行き来し、完膚なきまでに殺しにかかってくる。
しかしカラオケガチ勢である我々にとっては越えなければならない壁だ。
この大物を倒すためのコツをここにシェアしたいと思う。
これを歌い切ったあかつきには、かわいい女子らからの歓声はもちろんのこと、どうせ無理だろうとあざ笑ってる男どももひれ伏すことになるだろう。
そして何より、あなた自身の最強の武器として技術を身に着け、自身を存分に誇っていただきたい。
その一つのヒントになれば幸いである。
では行こう。 カラオケ人気曲シリーズ⑫ 瞳の住人–L’Arc-en-Ciel
もくじ
コツ①最高音はネコの声
やはり一番気になるのは最高音であるhihiAの 「一つの風景画の中」の「なか」が出せるかどうかであろう。
しかし、結論を言ってしまえば ここはさほど重要ではない。
なぜかというと、曲の中で2回しか出てこないからである。そして多少フラットしたとしても、正直そこまで目立たない。なのでこのたった2回の音にばかり気を取られるより、他の部分を繰り返し練習するほうが賢明である。
しかしわかってますよ。出せないと満足できないんだろう?
そう、完璧に歌いこなすためにこの記事が存在してるんだからね。安心してくださいちゃんと説明しますから。
ポイントは ①ネコのマネ ②思いっきり鼻にかける ③息漏れのない裏声 ④息のスピード の4点だ。
ネコのマネ
にゃーにゃーとネコの鳴きマネをするときの出し方に感覚が良く似ている。鼻にかかって頭から声が出ている感覚だ。
1回目の最高音 「なか」の時は ナ音なので、比較的にゃーにゃーに近い感覚で出せると思う。
2回目の 「さく」の時は少し難しいかもしれないが、にゃーにゃーの喉の形と同じにできれば出せる。
いきなり歌い始めてこれを出そうと思っても無理なので、にゃーにゃーだけでhihiAを出す練習をしよう。
スマホのアプリでガレージバンドがあるのでこれを使って音程を確認することをおススメする。
これでピアノの画面を開き A5 の位置がそれだ。
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おもいっきり鼻にかける
鼻から声を出すというかそれよりもさらに頭の中のほうに放り込む感じだ。
振動の全てを後頭部にぶつけるくらいでいい。
はじめは鼻をつまんで出してみると感覚が掴みやすい。その時響いた場所に 鼻つまみ無しで響くようにする。
当てる位置のかんじはこのへんだ⇓
息漏れのない裏声
このようなかなりの高音になってくると、ファルセット(息漏れの裏声)では圧力が足りず、むしろ出なくなる。
実際に声を出して試して頂ければ分かると思うが、ファルセットよりも息漏れをなくした裏声のほうが出やすいと思う。
ほとんど叫びに近い。
息漏れをなくしたほうが、声帯が振動しやすく 少ない力、少ない息で鳴ってくれるためだ。
息のスピード
ある程度の勢いで、息を早いスピードで出さないと鳴ってくれない。
これをやるには 内腹斜筋を使って、ポンプのように一気に短く圧をかけて息を出してほしい。
いきなり内腹斜筋と言われても難しいと思うので、これについては
【ボイトレ】胸式呼吸と腹式呼吸の違い 歌に必要な理由 と
【ボイトレ】腹式呼吸のコツ 一瞬でマスターする方法と練習法
で詳しく解説しているのでご参照頂きたい。
コツ②サビは全て裏声のつもりで歌う
冒頭でも述べたが、この曲の真の難所は hihiAではなく、それ以外のサビ全体である。
難しい理由は、ずっと高い音が続く上に 使う声の種類が多彩だからだ。つまり、常に高い声出しながら ファルセット、ミドルボイス、ヘッドボイスを使い分けていかねばならない。
しかしだ、これは難しく考えてはいけない。そこに勝機がある。
どこかのサイトでは、ここは地声 ここはミドル ここはファルセット、などと分けて歌い分けろというようなことが書いてあったりするが、
そんな使い分けはできません。
きんぱん流では、ここは小難しいことはバッサリ切ってシンプルに 全て裏声 にしてしまう。
ただでさえ難しいのに、一文字ごとに発声を変えるだなんてこと普通できます?
そんなことより、ブレスを決まった位置でしっかりするとか 表現するほうに集中したほうがいいと思う。
やることは簡単、喉の形は全部裏声にして、ハイドがファルセットにしてる部分だけ息漏れさせるだけだ。
つまり、地声⇒裏声⇒ミドル みたいに切り替える意識じゃなくて 全部裏声で息を漏らすか漏らさないかだけの操作をすることである。
そうすることによって、いきなり音程が上下するのにもスムーズに対応できるようになる。最高音hihiA にもつなげやすい。
実はこれ やってることはミックスボイスなのだが、じゃあミックスボイスで歌うのがコツだ!などと言ってしまえば話がおしまいなので、私の感覚はこうだよっていうのを伝えたいのです。
そもそもミックスボイスって、[全ての声区をスムーズにつなげること]なので、いちいち地声行って 裏声行って みたいな切り替え論は根本的に間違っている ということになる。
ミックスボイスについては 秦基博『鱗』を原曲キーで歌うには?ミックスボイスとは の記事でも考察してますので読んでみていただきたい。
ということでコツの2つ目は 難しいこと考えずに全部裏声だ! である。
コツ③口の奥にテニスボール
ハイドのような、高くてもパワーのある太い声を出すためのコツである。
まず、なぜハイドはあのようにハイトーンが出るにもかかわらず 太さも兼ねているのか ということを分析せねばならない。
チェストボイス
非常に大事な理解として、声の太さ を出すのは チェストボイス の響きである。
チェストボイスとは、胸に響かせた声のことであり、低音に適した発声である。平たく言うと、胸を鳴らした地声である。声を当てる方向としては図のように下向きである
のどぼとけを下げて、胸を鳴らすように発声することで力強い響きが得られる。
確認するときは、胸に手をあてて振動させるように発声しよう。
口の奥をガボっと開ける
口ではなくて 口の奥を大きく開く意味は2つある。
一つは 口腔共鳴をかせぐためである。
共鳴する空間は広いほうが良く響き、音量も出る。口腔共鳴については、まだ間に合う!『3月9日』を圧倒的に上手く歌うコツ でも詳しく解説しているのでご参照あれ。
もう一つは、のどぼとけを下げるためである。
口の奥の空間に テニスボールが入ったイメージでやってみてほしい。
同時にのどぼとけが下に下がったのがおわかりだろうか。
緑がテニスボール 矢印のほうに 舌の奥(舌根)が下がり、連動してのどぼとけも下がる。
この、のどぼとけが下がった状態を [ロウラリンクス] と言い、オペラ歌手のような発声になる。
ロウラリンクスにすることで、胸に響きやすくなり、チェストボイスの響きが得られるのだ。
しかし、純粋なチェストボイスでは 高音を出すことはできない!
要は完全な地声だからだ。そこで、
上向き・下向きの響きを同時に出す。
喉の形は 裏声状態のまま、チェストの響きを少し加えるのだ。
イメージとしては、上下二つの矢印を意識して発声してほしい。
ハイドの高くても太い声の秘密はこれである。
声は頭方向に当てて高音を出すが、同時に胸にも響かせるのである。
だが、これはかなり難しい。言うだけなら簡単なんだがやっぱりやるとなるとね。。
そこで、今はとりあえず 口の奥にテニスボールだ。
このように開くと、自然に響きが胸のほうにも行く。
つまり、テニスボールが入った状態で、裏声発声をすれば 高さと太さが両立できるのである。
まとめ
ハイトーンの殿堂 瞳の住人を歌う3つのコツをまとめる。
①hihiAはネコマネ
②サビは全部裏声
③口の奥にテニスボール
つまり要するに、ネコがテニスボールくわえながら裏声を出すということだ。
もうなんだかよくわからなくなったが、最後に注意点が一つある。
本当にテニスボールを咥えたら窒息します。
くれぐれもご注意いただきたい。
やはりこれを歌いこなしたら相当インパクトがあるので、ぜひ試してみてほしい。
これだけであなたは歌ウマとして一目おかれるであろう。
それではまた
追記:
こんなコツがありますよ~ とは言っても、
『いやいや、そう簡単にいきませんよ』と思われたあなた。
確かにそのとおりです。
ですが、正しい方法と思考によってそれが可能になるとしたら。。
それも短期間で高音が出るとしたら。。
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