私もかつてはそう思ってましたよ。
仕事つまらないし、クソ女には騙されるし、金も無いしな。
私もそう遠くない昔はそうでした。このままこんなキツイ仕事してても何の足しにもならんし、かといって今から転職? ふざけんなまたイチから覚えるのだりーよ。
そんでまあ軽く鬱になったわけですが、そんなとき高校からの親友に相談したことがあります。
私なんかは本当に、まだ相談できる人がいるんだからマシでしたね。
そしたらですね、その親友もやっぱり 私ほどじゃないんですけどやっぱり仕事のストレスが大きいんですって。銀行員なんですけど、世間が思うほどリッチでもないらしい。
それでちょっと息抜きに、沖縄に一人旅したんだそうだ。
そこで出会った人というのがすごい人で、リストラされて妻子に逃げられて、どうしょうもないから沖縄に一人で移住してゲストハウスを経営してるんだそうだ。
それで親友とそのゲストハウスのおっさんは意気投合していろいろ話込んだらしい。
そのおっさん、沖縄に来たきっかけは最悪だったが、しかしとにかく楽しそうにしてたらしい。全て失ったが、人生どうとでもなるんだと言ってたらしい。
それで親友くんは勇気をもらって、元気に仕事に復帰したそうだ。
曰く、一人旅は良いよ。きんぱん(私のこと)もきっと面白いヤツに出会えるはずだよ!とのこと
それで私も 仕事長期で休みもらったんで試しに一人旅してみることにした。
そこ時のことを少し話そうと思う。
きんぱん旅に出る の巻
もくじ
伝説の島へ
きんぱんはとある島に上陸していた。
同じ船で上陸した、大勢いたはずの人々はそれぞれ目的地があったり、迎えの人がいたりで 辺りからはすぐに誰もいなくなった。
フレンドリーな人が案内してくれるかもしれないという期待はすぐに消え去り、土砂降りの雨が孤独感を煽った。
そこは太古より伝説の木が存在するとされ、一年のほとんどが雨の島だ。
とりあえず宿を探そう。そう思って適当に探し、最初に発見した民宿に泊まれることになった。
民宿のおばちゃんは良い人だった。
旅の目的は伝説の木を見ることだと伝えると、たいへん丁寧に行き方を教えてくれた。
すごい久しぶりに人と話した気がした。何日も布団にこもっていたせいか、なんかドもって上手くしゃべれなかった。
翌朝というかほぼ深夜に、おばちゃんに教えてもらった通りに弁当屋に行き、食料を調達した。きんぱんはおむすびをてにいれた!
バスに乗り、伝説の木があるとされる魔の山の入り口にたどり着いた。
相変わらず話す人なんていなかったが、道中ちょっと出会いとかあるかな なんてちょっと期待して ワクワクしてた。
数時間後 地獄を見るとも知らずに。。。
己との対話
タイトルで どうせ一人旅は楽しいよ!だろ て思った人の期待は裏切るだろう。
一人旅はぶっちゃけ 楽しくはない。
伝説の木まで行くには、片道6時間も険しい山道を歩かねばならない。
この島特有の気候で、1年のうち雨が降らない日はほぼない。季節は10月、本州では過ごしやすい季節だが、山の気温の低下は激しく 雨も土砂降りを凌駕してもはや滝だ。
登山開始地点では まだたくさんの人がいたが、それもどんどんまばらになり、またしても完全に一人になった。寒いし、キツイし 孤独。
初めのころは景色を楽しんで写真撮ったりもしてた。いつしかそんな余裕もなくなり、話し相手は自分自身になった。
久しぶりに話した自分は、けっこうおしゃべりだった。
今までのこと、昔の思い出 これからのこと つらかったこと うれしかったこと とにかくたくさん話した。
だって 自分しか話し相手いないんだから。
ずっと話すうちに、だんだん本音をしゃべってくれるようになった。
おまえほんとはもっと、人気者で 目立って 人前で話すの得意だったじゃんか。それで喜んでくれる人がいて、それが一番嬉しかったんじゃないの?
人に教えるのだって得意じゃん。たくさん才能あったじゃん。なんで蓋しちゃったんだよ。
あの時目え輝かせて 夢語ってたじゃん。夢のこと話さなくなってもう何年だ?
世の中知ったつもりになって、何が大人だよ。あきらめただけじゃんか。
もっと俺のこと 愛してくれよ。
いつしか目標だった、伝説の木にお目にかかることができたが、体力が限界だったんでけっこうどうでも良くなってた。ものすごいパワースポットなんで、パワーを頂こうと思っていたがそれどころじゃなかった。
下山の途中、もはや自分とすら会話しなくなった。
人は限界が近づいた時、一種の瞑想状態になると思う。疲れ果ててもう考えることもしなくなるんで、たぶん勝手にそうなる。ある意味 超集中状態でただただ 歩くために歩く。いまここ、この瞬間だけにいる状態だ。
過去のことも、未来のことも一切思考しない。ただあるのは、いま、ここにいる自分だけ。今ここにいる自分は、そのまんま大自然の一部で、全てとつながっている。そんな感覚だ
全てと一つになり、自分の考えなのか 宇宙の考えなのかわからないが、なんとなく 考えらしきものが浮かんだ。
ああ、好きなことをやっていこう。やってもいいんだ
島の人々
大げさだが、生きて帰れた。達成感はすごかったが、相変わらず誰とも会話しなかった。
久しぶりに 自分とたくさん話したし、大自然とも話した感じがした。なんだか 何年も会って話してなかったおやじと酒を飲んだような、なつかしい感じがして すがすがしかった。
島の人々は、なんかしらの事情を抱えて ここに来ている人が多かった。
脱サラしてカフェやってる人、ダイビングが好きで移住しちゃったオネエチャン、焼酎の蔵の杜氏になってしまった女性、それにあこがれて島に来ちゃった若い女の子…..etc
民宿のおばちゃんも実は大阪人らしい。
総じてみんな幸せそうだった。ちっさな世界で愚痴言って
人生くだらない
と思ってたのがめっちゃダセエと思った。
結局 ノープランだったがあちこち見て回り、そのまま数日過ごして島を後にした。
旅で人生が変わるなんて 大それたことはなかったが、もしかしたら 自分と仲直りするための旅だったのかな。と思った。
帰りの船に乗る日 ずっと降ってた雨が上がり 太陽が少しいじわるに顔を出してた。
さて、今回の旅できんぱんが伝えたかったのは 人生くだらない と思うなら、どうせなら試しに旅でもするとなんかきっかけあるかもしれませんよ。ということ
一人で旅してもぶっちゃけそんな楽しいもんじゃないです。旅好きの人なら楽しみ方知ってるんでしょうけど。
でも、わたしがこの体験で感じたのは、自分を知るということは大切だということです。
一人旅というのはたぶん 自分と対話するためなんじゃないかなと思います。どこまでも深く内向していって、自分の潜在意識の声を聴く。それが 自分の本当の価値を見つけるきっかけになると思うのです。
もし人生つまらんなと思ってる人がいたら、ちょっと自分と話してみてください。きっといい話ができます。
きんぱんが自分と仲直りできたように。
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