ボイトレにおける「支え」とは何か?カラオケ上達イミフ用語集

この記事を書いているパンダ
きんぱん 30歳サラリーマンからミュージシャンを目指すヤバい男 このパンダの生態を知る ⇒超きん的プロフィール

カラオケや歌を上達したいと思って調べると、
よく出てくる言葉「支え」。

これがイミフな人は多いのではないでしょうか?

ボイトレ界隈では当然のように出てくる言葉ですが、
素人やビギナーの人には分かりづらい概念です。

当然ながら、私もはじめこの「支え」というものが何なのか
まったくわかりませんでした。

歌やボイトレにおいて、この「支え」は非常に大切なことにも関わらず、
当然知っているかのごとく、ちゃんと解説してないサイトは多いです。

なので、不親切なイミフ用語で迷子になっているあなたに、
言葉の意味だけでなく、やり方、練習方法まで、
詳しく説明していきます。


もくじ

「支え」の意味

まず意味を簡単に言うと、支えとは

[横隔膜を下げ続ける力]

です。

横隔膜を下げることとはつまり、腹式呼吸のことです。

腹式呼吸する際、体の中では横隔膜がおなかのほうに、ググーっと下がった状態になっています。

この、横隔膜が下がった状態を 維持した状態が、「支え」です。

おなかの力で息を止めている状態 とも言い換えられます。

呼吸をすることというのは、
主に2つの力によって行われています。

①胸郭を広げる・縮める
②横隔膜を下げる・上げる

です。

呼吸する際、常にこの両方の力が使われていますが、
主に①の胸郭を使っている状態が、胸式呼吸

主に②の横隔膜を使っている状態が、腹式呼吸

ということになります。

なので、腹式呼吸と支えは、常にセットとなる技術です。

関連記事:
【ボイトレ】胸式呼吸と腹式呼吸の違い 歌に必要な理由
【ボイトレ】腹式呼吸のコツ 一瞬でマスターする方法と練習法

 

「支え」ができていないとどうなるか?

逆に支えができていない状態とはどういう状態でしょうか?

横隔膜を下げ続けることができていない状態ということなので、
息が抜けてしまっていると言えます。
つまり吐く息の量がコントロールできていないということです。

支えができていないと、次のような症状になります。

  • ロングトーンが安定しない。声がブレる
  • 一定の音量で歌えない
  • 声の強弱がつけられない
  • 語尾、フレーズ終わりがブツ切りになる
  • 一定の音質で歌えない
  • 息が続かない
  • ブレスが多くなってしまう
  • 喉声になる
  • ビブラートができない

書いてて思ったんですが、これ 下手ってことじゃないですか 笑

もう少し詳しく、それぞれなぜそうなるのか解説していきます。

  • ロングトーンが安定しない。声がブレる
    ⇒吐く息の量が一定にできないため。多く出たり少なかったりしてしまうので、ブレる。
  • 一定の音量で歌えない
    ⇒これも同様に、一気に息が出る時だけ音量が上がり、そのあとは小さくなってしまう。
  • 声の強弱がつけられない
    ⇒吐く息の量がコントロールできないので、狙ったように強弱がつかない。
  • 語尾、フレーズ終わりがブツ切りになる
    ⇒少しづつ息を吐くということができないので、スゥ―――っと語尾を終わらせることができない。
  • 一定の音質で歌えない
    ⇒声質は吐く息量、声帯の閉じ具合、響きの位置 で変化をつける。
    そのため息が安定しなければ、全て調整不可能になる。
    息が一気に抜ける場合、声帯をガっと閉じるしか止める術がなくなってしまう。
    声帯がガッと閉じれば、圧力の強い声しか出せなくなる。
  • 息が続かない
    ⇒すぐ息が抜けてしまうため。
  • ブレスが多くなってしまう
    ⇒息が抜けるのでブレスを多くせざるを得ない。
    そして頻繁に吸うことになり呼吸が浅くなるので、胸式呼吸になるという悪循環。
  • 喉声になる
    ⇒息が抜けた状態で大きな声を出そうとすると、力で絞り出すしかなくなる。
    喉に力を入れて絞り出した状態が喉声である。
  • ビブラートができない
    ⇒呼気量が一定にならないと、同じ振幅のビブラートができない。
    空気がバフバフしてるのに、一定の揺れ幅にするとかキチガイの沙汰。

 

「支え」の練習方法

練習方法をいくつか紹介します。

1分間支え

これが最も簡単でいつでもどこでもできるので、私的には一番効果があると思っています。

やり方は簡単です。

  1. まず腹式呼吸で息を吸います
  2. おなかが少し膨らんだ状態でそのままキープします
  3. 声帯・口で息を止めないように口は半開き、声帯は開いた状態にします
    軽く息を吐いた時に、声が出るとダメです。声が出るということは声帯が閉じてます
  4. そのまま1分キープする
    もっとできる人は、どんどん時間を延ばしてください
  5. 途中息が苦しくなったら、一気に吐かずおなかで少しだけ吐いて、少しだけ吸ってください

これを頻繁にやることで、だんだん横隔膜の使い方も体でわかってきます。
むしろ胸式呼吸だと息が浅くてつらくなるので、普段から腹式呼吸が当たり前状態になります。

わたしの場合、通勤で電車に乗る時は常にやってます。
いつもやってると、一呼吸で吸える容量もだんだん増えてきます。

ス――っと一定に吐く

先ほどの、支えた状態から、ス―ーーーっと息を長く吐く練習です。
一定の呼気量で、安定して吐くトレーニングになります。

やり方です

  1. 腹式呼吸で息を吸う
  2. ス――っと吐く。
    前歯のウラに空気を当ててス――っと音をだす。
  3. これを一定の音量、ムラがでないように吐いていく
  4. 最初は短くてもいいですが、20秒くらいはできるといいでしょう
  5. 注意点は、口・歯のウラに圧力をかけないこと。
    あくまでもおなかの力で呼気量を一定にする
  6. 吐く息は一定に、細く長く。強くなったり弱くなったりしてはいけません

めっちゃわかりやすい動画貼ります⇓

支えながら声を一定に出す

先ほどのスー――ができたら、今度は声を出していきます。

やり方です。

  1. スーーと同様に、腹式で吸う
  2. 今度はス――ではなく、ア―――にする
  3. 小さな声でいいです。
    スーーと同じく、一定の音量、ムラが無いように吐き続けます
  4. スーーほどくら長くやるのは難しいですが、これも15秒くらいできるといいでしょう
  5. この時も声帯の閉じる力で調整してはいけません
  6. 音階はなんでもいいです

ス―――の応用編ですね。
音階はなんでもよくて、言葉も アでもウでもいいです。

私の場合は苦手な換声点付近や、裏声でやったりもします。
同時に、声帯のコントロールにもなり、おすすめです。

 

歌でどう使うか

ここまで、支えの練習をしてきましたが、
問題は歌で使えるかどうかです。

当然ながら、歌う時に「支え」を意識してやらないと、
歌になったとたんに、バフっと吐いてしまいます。

そこで、歌う時の意識のしかたをいくつか挙げます。

 息を止めるつもり

一気に息が抜けないように支えるには、いままでやってきた、横隔膜で息を止める感覚で歌います。

当然ながらこの時も、声帯や口の閉じで止めないように注意します。

おなかを膨らませ続ける

上と近いですが、おなかがすぐへこんでしまうと空気が抜けるため、
声をだしながらも、おなかをへこまさないようにします。

こうすることで、横隔膜が一気に上がってしまうのを防ぎます。

フレーズの後、少し後まで支え続ける

むしろ、1曲の間中ずっと、支えは解かないのが正解かもしれません。

少なくとも、フレーズの終わりの後、すぐ支えを解くと、
語尾がバツっとなったり、
次のフレーズの頭がブレたりします。

フレーズの間隔が長い時以外は、
支えを解かず、支えたまま語尾を処理しましょう。

 

まとめ

支えは歌にとって超重要です。

これは単に息の出入りの話ではなくて、
声帯のコントロール、響き、ニュアンス 全てに関わってきます。

なぜなら、息の流れによって
声帯や他の体の部分の反応も変わってきてしまうからです。

息が強すぎれば、声帯はびっくりして強く閉じようとしますし、
声帯が一定にならなければ、響きも安定しません。

 

車でいえば、ガソリンの供給量が一定じゃないのと同じですね。

アクセルを一定に踏んでいるのに、ガソリンがエンジンに送られる量が変わってしまったらどうでしょう?

勝手にズッコンバッコンして、そんな車乗りたくないですよね?

歌でいう呼気は、ガソリンみたいなもんです。

ズッコンバッコンした歌なんて、私は聴きたくないですね 笑

 

ということで、イミフなボイトレ用語 「支え」の解説でした。

カラオケ上達の助けになれば幸いです。

まだまだイミフ用語ありますので、シリーズ化してお伝えしていきます。

 

それではッ ノシ


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