どうもきんぱんですω
今日は呼吸の話について。
当サイトでも、歌うときには「腹式呼吸」がいいということは何度も言ってきました。
なので、じゃあ胸式呼吸はデメリットしかない、なるべくいつも腹式呼吸がいい なんて考えていた時期もありました。
そして、歌とかボイトレ界隈に限らず、巷では腹式呼吸をすすめる話がたくさんあります。
世の中全体が、腹式呼吸推しな感じになってます。
これだと、胸式呼吸はデメリットばかり!てるのも仕方ない気がしますが、なぜこれほど腹式呼吸の良さばかり言われるのかというと、現代人の多くが、いつも交感神経優位になりがちだからです。
ずーっとストレスにさらされているので、リラックスする暇がない・・
だから、交感神経を優位にさせてリラックス状態になる、腹式呼吸を取り入れよう!となってるわけです。
しかし、そもそも胸式呼吸にデメリットしかなくて、悪いものなんだとしたらそもそも存在するはずがありませんよね。
はじめっから腹式呼吸しかできないようになってればよかったわけで。
なので今日は、胸式呼吸と腹式呼吸をうまく使い分けることで、あなたのパフォーマンスを最大限に発揮しよう。
そして健康になろう!という話です。
もくじ
なぜ胸式呼吸と腹式呼吸があるのか?
そもそも、胸式呼吸が必要ないものならば、人間の機能として備わっていないはずだと思いませんか?
でも、人間はちゃんとどっちもできるようになってます。
これはどちらも必要だということですよね。
現代人は、強いストレスに晒され続けていますね。
朝通勤する時電車でストレス。
会社ではプレッシャーの強い仕事。
人間関係もストレス。
アホな上司にストレス。
偉そうな顧客にストレス。
帰りの電車ストレス
家庭で嫁に小言を言われてストレス。
ようやくリラックスできるのは、寝る前にわずかな一人の時間だけ・・・
こんなので幸せに生きられるはずないですよね。
だから、今の社会人に必要なのは、とにかくリラックスだ!
リラックスのためには、腹式呼吸だ!
となっているんです。
世の中がこうやって腹式呼吸は万能の呼吸法だ!て言うから、歌の世界でも「腹式呼吸が全て」的な流れになっている気がしてなりません。
胸式呼吸の役割
胸式呼吸はデメリットな呼吸の仕方なのではありません。
リラックスしたい時には適さない、と言うだけのことなのです。
胸式呼吸は、
- 交感神経を優位にする
- 脳に素早く酸素を送る
- 集中力を高める
- 脳を興奮状態にする
こういう役割があります。
ようするに、戦闘態勢呼吸です。
現代人が胸式呼吸ばかりになってしまうのは、常に戦闘態勢を求められているからです。
なので、当然ですが、「ここ一番」というときには胸式呼吸が役に立ちます。
だとするならば、歌にとって胸式呼吸がデメリットだ というのも一面だけの捉え方だと言うことになります。
歌を歌うときだって、当然集中力を必要とするからです。
確かに歌っている最中に呼吸が浅くなるのは歌いづらいですが、事前に集中力を高めるためには必要な呼吸なのです。
また、朝一番や始業前なんかには胸式呼吸をするのがいいです。
血流をよくするので、頭がシャキッとするのです。
腹式呼吸の役割
腹式呼吸が万能な訳ではありません。
リラックスするためには適している呼吸法、というだけのことです。
腹式呼吸の役割は、
- 副交感神経を優位にする
- 脳にα波を出してリラックス状態にする
- セロトニン(幸せホルモン)の分泌を促す
- 気持ちを落ち着かせる
- 心拍数を抑える
です。
なので、頭をシャキッとしたい朝とかにゆっくり腹式呼吸だけしていると、また眠くなってしまいます。
要するに、武装解除呼吸 です。
歌に関して言うならば、ゆったりした曲でリラックスして歌うなら腹式呼吸が適しているでしょう。
ですが激しい曲とか速い曲、エネルギーを込めて歌うパンクやロック系ではあまり向かないかもしれません。
素早く呼吸するのも難しいですし。
また、緊張しているときに意識的にゆっくり腹式呼吸をするのがいいと思います。
緊張すると勝手にアドレナリンが出て興奮状態になるので、呼吸の使い分けでコントロールが可能です。
腹式呼吸は交感神経優位にするため、夜に適している呼吸となります。
家に帰ったら、意識して腹式に切り替えるのがよいでしょう。
呼吸法で朝晩のモードを切り替える方法
このように、呼吸のしかたをコントロールすることで、自分の体の状態を変化させることも可能です。
自律神経は自分で直接コントロールできませんが、間接的に働きを優位にすることは可能なわけです。
それが、呼吸のしかたを意識的に変える ということなのです。
では、場面ごとにどう呼吸すればよいか、簡単に今日からできる方法をシェアします。
朝や集中したいとき・ココ一番
こういうときは胸式呼吸です。
使えそうな場面でいうと、
- 朝起きたとき
- 始業前
- 会議の前
- 歌う前
- 眠気に襲われたとき
こんな場面です。
【やり方】
- 胸の上部に手を当て、そこを上に持ち上げるように息を吸う
- 5秒間で吸って、3秒止める
- 口から勢いよく、「ハッハッハッハッ」と数回に分けて吐き切る
- これを10回ほど繰り返す
- 吸うときは胸を張り、吐くときに少し前かがみになると、呼吸しやすいです
これだけです。
たぶん5回目くらいから、頭がシュワーってなって血流がギュンギュンになっているのを感じると思います。
外で太陽光を浴びながらやると、セロトニンの分泌も促進されるので、とてもポジティブな爽快な気持ちになれます。
逆に夜やると興奮してしまうので、夜はココ一番以外ではやらない方がいいでしょう。
夜や落ち着きたいとき・リラックスタイム
こういうときは腹式呼吸です。
使えそうな場面でいうと、
- 帰宅してから、寝る前
- 極度に緊張しているとき
- 心拍数が上がってるとき
- イライラするとき
- 落ち着かないとき
- 歌っている最中
こんな場面です。
【やり方】
- 丹田(へその下5〜9cmくらいの位置)に手を当てる
- その位置を膨らませるつもりでゆっくり息を吸う
- 鼻から5秒で吸って、3秒止める。口から5秒で吐き切る
- これを5回繰り返す
- うまくできないときは、仰向けに寝てやる
- あまり胸は張らずに、気持ち前かがみでやると丹田を意識しやすい
布団に入ってから、この呼吸を意識してやっていると、いつの間にか眠れたりします。
なので寝つきが悪い人にもおすすめです。
副交感神経優位になり眠くなってしまうので、仕事で集中したいときはあまり使わない方がいいですね。
まとめ:胸式呼吸にデメリットはない
胸式呼吸は現代人にとってデメリットばかり、という論調がありますが、まったくそんなことはありません。
むしろ場面によって必要なことです。
胸式呼吸しかできていない人が多いから、呼吸が浅くなっている。
だからこれが万病の元なのだ、とする議論がありますが、これはある一面でしか見ていない話なのです。
今日見てきたように、呼吸は人のパフォーマンスに大きく関係してきます。
なので、場面によって使い分けることが、人生をコントロールすることと言っても過言ではないのです。
これ以外にも歌における呼吸の話はいくつか書いてますので、参照してみてください。