- 丹田に力を入れて発声する
- 丹田を意識して呼吸する
- 腹から声を出す
- 丹田を鍛える
歌う時にこれらが大切だとは言われますが、
ん?できなくね?
わかんないんだけど。無理じゃね?
などと思ってる人。
安心してください。その感覚は合ってます
なぜなら、丹田などという体の部位も、臓器も、筋肉も
存在しない
からです。
今日もカラオケ上達のためのイミフ用語解説なんですが、
今回は「丹田」です。
ほんともう、なんでボイトレ界隈っていうのはこういう都市伝説理論ばかりなんでしょう。
丹田が大切なのよー!などとすごい理論かのように教えて満足してるボイトレ講師さん、
ヤバいですよ!!
生徒さんぜんぜん理解してないっすよ!
ということで今日は、
- 丹田の意識がだいじらしいけど感覚が分からない
- どうしても丹田で呼吸できない
- 丹田の使い方、鍛え方がわからない
- 丹田に力を入れて歌えない
というあなたへ、
丹田呼吸法とは何か?
なぜこれが大切とされるのか
どうすれば意識できるのか
を解説します。
「丹田」うんぬんが都市伝説理論とはいえ、
その言ってる事にはまあ一理あって、それが何を言わんとしてるのかっていう話をし、
そのうえで歌にどう使っていくか考えたいと思います。
ぶっちゃけ、私的にはこの「丹田」なんてものは
理解できなくてもいいと思ってるんですが、
この記事を最後まで読んで頂ければ、しっかり理解していただけます。
要らないとはいえ、一応理解はできていた方が、
あなたの今後のボイトレ・カラオケライフのプラスになることは間違いないので、
知っておいて損は無いでしょう。
では、いきましょう!
もくじ
まず、丹田てなに?
丹田は、東洋医学的には存在しますが、
実態としてのモノは存在しません。
では、丹田とされる場所はどこなんでしょう?
こちらの図をご覧ください。
見て分かる通り、胴体の中心であり、最も重心が乗る部分ですね。
ピンポイントでココ!っていうのは無くて、
だいたいこのあたりのことを指して言います。
体の中心部なので、全身の精気が集まる場所 とされるとのこと。
ココを鍛えることで、運気にも恵まれるらしい。
もっと詳しく知りたい方はググってください。
見ての通り、この「丹田」とされる部分には、
骨は無く、何かしらの内臓はありますが 少なくとも
肺はありません。
意識して動かせる筋肉があるわけでもありません。
丹田が分からなくてもいい理由
このように、「丹田」というものは
実体がありません。
これを踏まえて、いかに丹田理論がおかしいかを説明します。
冒頭の丹田理論に答えてみましょう。
- 丹田に力を入れて発声する
⇒そもそも筋肉が無いところに力を入れるなど不可能。
特定の神経が存在するわけでもないので、意識することすら不可能。
よって、発声することと一切無関係。 - 丹田を意識して呼吸する
⇒意識することが不可能なのは上で言ったとおり。
呼吸とは、肺に空気を入れることなので、肺のない場所である丹田で
呼吸することなど不可能。 - 腹から声を出す
⇒腹式呼吸で発声するという意味においては一理ある。
しかし声が出るのはあくまでも声帯なので、
腹から声が出るはずがない。 - 丹田を鍛える
⇒筋肉ではないので鍛えることなどできない。
百歩譲って内臓のことだとして、内臓を鍛えて声に関係あります?
てか、内臓ってどうやって鍛えるのか教えてほしい。
というか特定の内臓のことでもないし意味不明。
実体が無いものを鍛えろとか正気の沙汰じゃないんですけど。
ええ。これで丹田の話なんか気にしなくてもいいということがお分かりになったでしょう。
丹田理論に惑わされて悩んでいた、歌好き・カラオケガチ勢・歌手志望・過去のおれへ
安心してください。あなた方は間違ってない。
丹田の感覚とは何のことを言っているのか?
丹田に囚われることはムダという話をしてきましたが、
丹田が大切 というのは一理あるということも言っておかねばなりません。
丹田理論推進派が、何をして大切と言っているのか、説明します。
それには、「腹式呼吸」というものを考える必要があります。
先に結論を言うと、
[腹式呼吸によって内臓が押しつぶされ、ちょうど丹田あたりに力が入っている感覚になる]
というのが、丹田理論の真相です。
もう少し詳しくいきましょう。
腹式呼吸の仕組み
腹式呼吸がどんなものかをまず理解しましょう。
図を見てください。
黄色っぽい部分が肺、ピンク部分が内臓、赤線が横隔膜です。
これが息を吸っていない状態です。
次に、腹式呼吸で息を吸うと
赤線の横隔膜が、下にびよーんします。
横隔膜が下がった分、ピンクの内臓は押しつぶされます。
横隔膜が下がることで、肺の体積が広がります。
この広がりによって空気を取り込む呼吸が、腹式呼吸です。
関連記事:
【ボイトレ】胸式呼吸と腹式呼吸の違い 歌に必要な理由
【ボイトレ】腹式呼吸のコツ 一瞬でマスターする方法と練習法
腹式呼吸によって丹田が認識される
腹式呼吸することによって、内臓が押しつぶされました。
骨盤が行き止まりなので、内臓は骨盤に押し付けられた状態になります。
↓↓↓↓に向かって骨盤のほうに、内臓が押し付けられます。
すると、♡のところに力が集まります。
ココが、丹田です。
つまり、上からの横隔膜の圧力によって内臓が骨盤に押し付けられ、
それによって下腹部に力が入った感覚になること。
これが、[丹田に力が入っている感覚]
です。
腹式呼吸がしっかりできることで、[丹田]という存在を
認識できるようになるわけです。
しかし、腹式呼吸ができたからといって、この感覚がすぐに
理解できるかといったら、正直疑問です。
実際、難しいと思います。
ボイトレ初心者とかにいきなり、
「丹田を意識して!」
とか言ってもまあわからないでしょう。
ほんとはよく分からないのに、気を遣って分かったフリとかしなくていいですよ。
分からないものははっきりわからんと言いましょう。
丹田が歌にとって大切とされるのはなぜか?
ここまでは、腹式呼吸によって、丹田が意識される
ということを話してきました。
ではなぜ、歌う時に丹田が大切とされるのでしょうか?
それは、
声はおなかで支える
からです。
はいまた意味わかんない言葉出てきましたね!
では「支える」ということを簡単に説明します。
「支え」についても、カラオケ上達イミフワード認定しているので、
こちらの記事をご覧ください。⇓
関連記事:ボイトレにおける「支え」とは何か?カラオケ上達イミフ用語集
声を「支える」の意味
支えるとは、
[横隔膜を下げ続けることで、吸った空気を一気に吐いてしまわないようにすること]
です。
そして、声とは息を吐かないと出ないので、
「声を支える」とは
[横隔膜の動きをコントロールして、声の出し方を調整すること]
です。
つまり、声を出すときは、
横隔膜がすぐ上がらないようにがんばりながら
息をゆっくり吐く必要があるということです。
おなかで「支える」という感覚
腹式呼吸をすると、
おなかが少し膨らみますよね。
これは、上の腹式呼吸の仕組みのところで説明した通り、
横隔膜が下がることで内臓を圧迫するためです。
腹式呼吸で息を吸い、
ゆっくり吐いてみてください。
ゆっくり吐こうとすると、
おなかが膨らんだままキープしようとする力
が働いているのが分かるでしょうか?
この時、もしすぐおなかがへっこんでしまう
という人がいたら、「支え」ができていません。
その場合は、おなかをへこませないように頑張ってみてください。
さて、この時の感覚が大切なんですが、
おなかが膨らんだままキープしようとする
と、おなかに力が入っているのがおわかりでしょうか?
これが、おなかで支える
という感覚です。
腹式呼吸が、より深いエキスパートになってくると、
腰で支える なんていう猛者も出てきます。
これは、肺は背中の方まで広がっているので、
おなかどころか、腰の筋肉までも使って息を支えているからなんですね。
おなかの力を使って、
横隔膜が上がらないようにしている状態、
これが、おなかで支えている状態ということです。
丹田で支える
おなかの力で、息を支える仕組みまではお分かり頂けたかと思います。
先ほどの図
このギュイーンで、丹田に力が集まる話をしましたね。
腹式呼吸によってしっかり横隔膜が下がることで、
丹田に力が入っている感覚になります。
先ほどはおなかの力で息を支えましたが、
今度は丹田に力がこもったままの状態で息をキープします。
これが、
[丹田で支えている]
状態です。
つまり、丹田に力が入っている状態を作ることができれば、
イコール腹式呼吸もできていることになります。
そして、丹田にしっかり力が入った状態はつまり、
支えがしっかりできている
ことになります。
支えがしっかりできていれば、
声の安定・強弱・ニュアンス・息を長く持たせる
ということができるわけです。
これが、丹田が歌にとって大切 とされる理由なのです。
じゃあやっぱり丹田必要じゃん!?
いや、いらないです。
要らないというか、そんなに意識してやるもんではないと思います。
というのは、この丹田の意識って、むずいんですよね。
すごい集中しないとわからないので、
むしろ歌に集中できなくてジャマっす。
そして、丹田の呼吸ができたらその瞬間に歌が上手くなった!
なんてことはないわけで。
どちらかというと、
一生懸命 歌の練習をして、
気が付いたら丹田の意識もできるようになっていた
という方が普通なんではないかと。
でそうなった時に、
「あ、これが丹田というものか」
と納得するパターンではないのかな。
丹田うんぬんに関しては、ぶっちゃけそんくらいの接し方でいいと思います。
それより悪しきことは、
丹田できないできないできないと悩んで、
そればっかりに囚われて
それを歌が上達しない言い訳としてしまうことです。
これ非常に重要なマインドだと思うんですが、
「おれ(わたし)ってこれができないから上手くならないんだ」
「高音が出ないから下手なんだ」
「喉が締まるクセのせいで上達しないんだ」
っていう、何か単体のもののせいで 上手くならないという思考。
これはダメパターンです。
何か特定の原因のせいで と考える時点で、
言い訳体質
になってます。
丹田がわからないんだったら、きっぱりと見切って
別のことをすればいいです。
目的は丹田がわかるようになることではなく、
あくまでも 「歌」が上手くなることです。
もっと言えば、もはや歌なんてヘタクソでもいいんです。
聴く人の心さえ動かせれば!
なので、何かのせいでぼくは下手なんだ
ではなくて、
「どうすればもっと上手く歌えるだろう」
「どうすれば感動させられるだろう」
「このやり方がダメなら別の方法はないか?」
ということを考えましょう。
これすなわちQT(Question Thinking)です。超重要マインドです。
こと 丹田 の話に限って言えば、
丹田の呼吸ができるとかどうかなんてのは、
あくまでも手段
であって、目的ではありません。
目的は、息をしっかり支えられて、
安定した声を出せるようになることです。
声が安定して出せるんであれば、
別に丹田でなく、全く違う意識でも問題ないのです。
なので、こればっかりに囚われないでね という話。
イミフ用語「丹田」まとめ
さて、今回の「丹田」についてまとめます。
- 丹田の実体は存在しない
- ゆえに、鍛えたり、力を入れることはできない
- しかし、腹式呼吸によって意識できる
- 丹田の力で、息を支える感覚が身に付けばラッキー
- でも別にそんなのわかんなくても上手くなるよ
たった5行で説明できました。
結論。
そんなたいそうなもんじゃない。
絶対マストな技ってことでもない。
ただ、ドヤりたい人が神秘の技的なポジショントークしてるだけ
なので、丹田の感覚が現時点で分からなくても、
全く気にする問題ではないので安心してね!
では、きょうはこの辺で。
あなたの歌ウマ街道を願って
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