こんにちは、休日ミュージシャン育成トレーナーの織沢てつろうです。
今回は、映画【天気の子】の主題歌の1つである【なんでもないや】の歌い方解説をしていきたいと思います。
この曲以外にも天気の子の主題歌をRADWIMPS担当していますが、
どれも名曲揃いで、どの曲も繰り返し聞いても飽きない不思議な魅力がありますね。
ボーカル、野田洋次郎氏の空気感が、映画にも今の時代にもすごくマッチしているんじゃないかなって思ったりします。
どこか安心感があるといいますか、ホッとする歌声ですよね。
では、その魅力に迫って行きましょう。
歌い方解説スタート!!
もくじ
どこか頼りない主人公像を表現する。
この曲に限らず、RADWIMPSに出てくる登場人物は、
無敵なヒーローと言うより、どこか頼りなく、でも情けなくはない。
しっかりと前を向いていて、勇気をもらえるような人物に描かれていることが多いです。
この人物像が野田洋次郎氏の歌声と見事にマッチングしているというのが、
分かりやすくRADWIMPSの魅力の一つになっているのではないかなと思います。
さてこの人物像を表現する歌声を作っていきましょう。
息の吐き方を広くする。
野田洋次郎さんの歌声は、
どちらかと言うと、比較的ゆったりとした印象を受けます。
それに比べると、以前紹介したUNISON SQUARE GARDENは、早めの印象です。
曲調にもよりますが、
どちらのバンドもギターロックサウンドを土台にしつつ、これだけ印象が変わるのは、アレンジの違い以上に、
やはり歌声の効果が大きいのではないかなと思います。
この独特な雰囲気の歌声のコツですが、
息の吐き方をコントロールしていきます。
息を吐く際に、吐く量をコントロールしたりすることはあったかと思いますが、
広く吐く。
狭く吐く。
などのコントロールはあまり意識したことがないと言う人もおおいんじゃないかなと思います。
横の矢印を意識する。
この、広い狭いのコントロールですが、
息を吐く際の横の矢印を意識していきます。
今回の曲のように、少しゆったりめで優しげな歌声にしたい時は、
顔の全面を覆うようにして息を吐いていきます。
息だけというより、声自体で覆うように出来るといいですね。
口は後ろに引っ張る!!
息の吐き方に加えて、口の開け方も変えていきます。
野田洋次郎氏、そこまで大きく口を開けて歌ったりはしていません。
と言うより、あまり口を開けないで歌うことが多いです。
それでも言葉が聞き取りやすいのは、子音の発声が綺麗に出来ているからなんですが、
その説明の前に、
口を開けない代わりとなる、口の奥の広げ方です。
まず、口をすぼめて唇周りに少し力をいれて、【ウー】と言ってみてください。
唇が少しとんがるような形になるのがわかるかと思います。
この状態だと、息も声を割とまっすぐに出てしまうので今回のテイストでは使いません。
今回の口の形は、
【ヒーと言いながらあくびをする】形です。
軽く横に広げながら、口の中を少し広く使うようにします。
この時に、あまり口周りに力を入れないようにしつつ、その形を維持しながら歌います。
それに加えて、先ほど説明した息の吐き方を加えます。
まとめると、
唇を軽く横に広げながら、口の中を少し広く使う。
顔の全面を覆うようにして息を吐いていきます。
その状態で息が吐けるようになったら、それを維持したまま声をのせていきます。
これで優しめの、軽く息混じりの声になっていきます。
特にAメロの音程があまり高くない部分で効果的なので、練習してみてください。
ソフトな歌声に、フックとなる子音のアクセントをつける。
口をあまり開けないで歌う野田洋次郎氏ですが、
言葉は非常に聞き取りやすいですね。
派手すぎず、音圧も出すぎてないアレンジが多いということもありますが、
何より、しっかりとした子音のコントロールがとても上手なんです。
1番のAメロの後半部分を例に説明していきましょう。
【きょうはあたたかくかんじました】
【ゆめのかたりかたも】
他に特徴的な場所はいくつもありますが、この赤文字の部分は、
流して聞いているとなかなか気づかなかったりしますが、改めて聞くとすごくしっかり子音を発音しているのが分かると思います。
他には、サビの入りの部分
【ぼくらタイムフライヤー】
この【タ】の部分ですね。
この部分の子音をしっかり強調して歌うことで、
ぼくら、
タイムフライヤー
このように1ブレスのメロディーの中で、しっかり文節を区切って聞かせることができます。
なおかつ、この曲のキーワードとなっている【タイムフライヤー】という歌詞の印象付けも出来ているんですね。
これが、【タ】の部分を特に意識せずに1フレーズ歌ってしまうと、
【ボクラーターイムフライヤー】
全部カタカナで表記してみましたが、ふざけているわけではなく、実際にそのように聞こえてしまうんでしすよね。
【ぼくら、タイムフライヤー】
【ボクラーターイムフライヤー】
この2つだったら、やっぱり上の方が聴き心地が良いんですね。
文節の初めの子音に気をつける。
どこで子音を強調するかなかなか分からないと言う人もいると思いますが、
結論から言いますと。
好みです!!
色ん人がカバーしたりしていますが、各々歌い回しが違ったりするのは、好みだったりセンスが違うからです。
実際それで良いんです!
ひとまずの判断基準としては、
文節の初めの言葉を強調してみる。
です。
これでやってみて、ちょっと大げさだなというところを削っていくと、
わざとらしくないニュアンスになっていきます。
メロディーラインが一緒でも1番と2番で歌詞が違います。
それの影響で、違った箇所が強調されるなんていうことも多々ありますので、
歌詞カードとにらめっこしながら、何度もメモをとって、
言葉のアクセントをつけるところを見つけだしてください。
RADWIMPSの曲は、他にも記事を更新していくのでお楽しみに!
以上、なんでもないや【RADWIMPS】歌い方解説〜映画主題歌編〜でした。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。